相続財産の評価とは?種類ごとの評価方法と全体の流れ

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── 財産を洗い出したら、次はその評価です。

相続した財産は、種類ごとに評価額を出していきます。その合計で、相続税の額が決まります。自宅、預金、株といろいろあると、どれをどう評価すればいいのか、戸惑いやすいところです。

たとえば、こんなご相談があったとします。

ご相談者は、お母様を亡くされた50代の方。お母様が残したのは、長く住んだ自宅の土地と建物、いくつかの銀行の預金、それに証券会社に預けていた株式や投資信託でした。相続人で集まり、通帳や証券会社の書類を確かめて、何が財産にあたるかは、ひととおり書き出せたそうです。

ところが、その一覧を前にして手が止まりました。何があるかは書き出せても、それぞれの金額となると話は別です。預金は残高を見ればすみますが、自宅や株はどこから手をつけたものか見当もつきません。

「財産が何かはわかったのですが……これ、それぞれいくらと見て相続税を計算すればいいのでしょうか」

――そう戸惑われるのも、無理のないことです。財産は、その種類に応じて評価していきます。まずは、その評価額がどう決まるのかから見ていきましょう。

◆ 相続財産の評価とは|相続税の計算と遺産分割で使う評価額

相続財産の評価は、財産の種類ごとに決められた方法で計算します。やり方は法律や国税庁の通達で定められています。

この方法で出した評価額は、実際に売買される価格とは、必ずしも一致しません。とくに土地や建物は、それより低めに出やすいものです。

評価額を合計し、基礎控除を引いた額に相続税がかかります。基礎控除は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で、財産の合計がこれを超えなければ、原則として相続税はかかりません。評価額は、相続税の計算のほか、遺産の分け方を話し合うときにも使います。

評価は、財産を洗い出したあとに行います。何が相続財産に含まれるかは、『相続財産には何が含まれる?見落としやすい財産の注意点』で取り上げています。

◆ 評価の基準日|すべての財産を「亡くなった日」の価値で計算する

財産の評価で、どの財産にも共通することが一つあります。いつの時点で評価するか、です。相続税では、手続きや申告をする日ではなく、亡くなった日の価値で見ます。その日に財産を受け継いだ、と考えるからです。

株式や投資信託、外貨のように、価格が日々動く財産があります。そうした財産は、どの日を基準にするかで評価額が変わるため、相続税ではその基準を亡くなった日に置きます。評価するのは亡くなってしばらく後になりますが、あとで値上がりや値下がりがあっても、見るのは亡くなった日の金額です。

出典:国税庁「財産評価基本通達 1(評価の原則)」
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/sisan/hyoka_new/02.htm

◆ 財産ごとの評価方法|預貯金・不動産・有価証券・動産の計算ルール

ここからは、相続でよく出てくる財産について、評価の仕方を順に見ていきます。

わかりやすいのは、現金と預貯金です。基本は亡くなった日の残高で、それがそのまま評価額になります。ただ、定期預金はその日までの利息を上乗せし、外貨預金は円に換算するといった手間が少し加わります。このあたりは『相続した現金・預貯金はいくらで評価する? 定期預金の利息と外貨の扱い』で整理しています。

不動産は、建物と土地で分かれます。建物は固定資産税評価額をそのまま使えますが、土地は路線価や倍率で計算します。同じ土地でも、形や道路との接し方で金額が変わります。相続財産のなかでも金額が大きくなりやすく、その評価しだいで全体の税額も動きます。求め方は『相続した土地・建物はいくらで評価される? 路線価方式と倍率方式』で説明しています。

有価証券は、市場で価格が日々動きます。上場株式は、亡くなった日の終値だけでなく、その月やその前の月の平均も見て、いちばん低い金額を選べます。投資信託は、解約したときに手元に残る金額で見ます。くわしくは『相続した株や投資信託はいくらで評価する? 上場株式は終値だけで決まらない』にまとめました。

家財や車、貴金属、ゴルフ会員権などは、決まった計算式がなく、中古の相場や査定から金額を出します。5万円以下の家財はまとめて計上できますが、それを超えるものは個別に評価します。人に貸したままのお金や、受け取っていない家賃のように、見落としやすい財産もここに含まれます。こうした財産は『相続した家財や車、ゴルフ会員権はいくらで評価する? その他の財産の評価』で紹介しています。

ただし、評価額を出したら終わり、ではありません。自宅の土地などは、相続税の申告のときに、小規模宅地等の特例で評価額を大きく減らせることがあります。特例の中身は『小規模宅地等の特例とは?自宅の土地は330㎡まで8割減|相続税ゼロでも申告は必要』で解説しています。

◆ 評価に必要な準備|金融機関や行政から書類を取り寄せて確認する

相続財産の評価は、財産の種類ごとに、必要な書類をそろえるところから始まります。預金や株式なら残高証明書、不動産なら路線価図や固定資産税の通知書。金融機関や業者へ問い合わせて取り寄せるものもあり、手元にそろうまで日数がかかることもあります。一度にすべてを出す必要はありません。種類ごとに順に進めていけば、受け継いだ財産の評価額も、だんだん見えてきます。

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